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トランプ大統領訪日の反響が世界中でどのくらいあったのかソーシャルリスニングしてみた

2019年6月6日

こんにちは、ソリッドインテリジェンスの田辺です。

ソリッドインテリジェンスでは、海外のSNS分析(専門的には「ソーシャルリスニング」と言います)を主な業務としています。

今回は、先日話題となったトランプ大統領訪日をソーシャルリスニングし、世界中でどのくらい反響があったのかを見てみたいと思います。


2019年5月25日にトランプ大統領が訪日し、3日間を安倍首相とともに過ごした後、5月29日に本国アメリカへ帰っていきました。一緒にゴルフをする様子や、笑顔で写っている写真、並んで相撲観戦する姿などが印象的だったのではないでしょうか。

アメリカの現職の大統領が海外を訪れ、3泊4日という長い期間、しかも多くのプライベートな時間を過ごすというのは、かなり異例なことだったのではないかと思います。このことは、日本やアメリカのみならず、世界中で話題となっており、今回のトランプ大統領訪日の反響は相当に大きかったのではないかと思われます。


トランプ大統領訪日の影響や成果については、各方面のいろんな専門家の方々が分析されていますが、ソリッドインテリジェンスでは、ソーシャルメディアに投稿される投稿データを収集することで、今回のイベントの反響を分析してみたいと思います。

目次

ソーシャルメディア上の投稿データを収集してみる

まずは、トランプ大統領訪日に関連するソーシャルメディア上の投稿データを収集してみます。ソーシャルデータを収集する方法はいくつかありますが、今回はソーシャルリスニングツールを使用して投稿データを収集します(※1)。

ソーシャルリスニングツールを使うと、世界中の様々なソーシャルメディアを対象として、任意のキーワードを含む投稿データを収集することができます。今回は、反響の大きさを測る目安として、「安倍首相」がどれだけ話題になっていたかを調べてみたいと思います。


主に海外での反響を見るため、以下のようなキーワードを設定しました。

  • shinzo abe
  • prime minister abe
  • prime minister of japan
  • #shinzoabe

このようなキーワードのいずれかが含まれている投稿データを、世界中から収集します。
データを収集する期間は、2018年1月1日〜2019年5月31日としました。

以下のグラフは、収集された投稿データの数(=話題量)を日別に集計したものです。

この1年半近い間に、「安倍首相」に関する話題が盛り上がっている大きな山がいくつかあるのがわかります。とくに大きい山の1つを見てみると、2018年4月18日でした。


この日のワードクラウド(よく出てくる単語)を見てみましょう。

trump、florida、meeting、talked、trade、north、korea などの単語が確認できます。
これらのヒントをもとに調べてみると、「トランプ大統領と安倍首相が、フロリダ州パームビーチで会談し、貿易協定や北朝鮮に対する姿勢を確認した」ことが、盛り上がりの主な要因であることがわかりました。


今度はグラフの一番右に注目してください。もっとも大きな盛り上がりの山があるのがわかります。2019年5月26日のワードクラウドと主な投稿画像を見てみましょう。

ワードクラウドに、トランプ大統領の名前や、tokyo、golf、kokugikan、sumo、cup などの単語が確認できます。また投稿画像に、安倍首相がトランプ大統領と握手する姿や、ゴルフを楽しみ、相撲観戦する模様が確認できます。この日の盛り上がりの要因が、今回のトランプ大統領訪日であることは明らかですね。


5月26日の1日だけで、「安倍首相」を含む投稿はなんと「257,674件」もありました!
5月25日〜5月31日の1週間の合計は「652,221件」に上ります。

安倍首相がどれだけ話題になったかという意味では、今回のイベントが圧倒的に大きな反響を作り出したことがわかります。この結果だけでも、安倍首相は今回のイベントによって、非常に大きな成果を得たと言っていいのではないでしょうか。

収集した投稿データを詳しく見てみる

次に、収集した投稿データを詳しく見てみましょう。

今回のイベントの反響がどんなものだったかを見るため、今度は期間を2019年5月25日〜5月31日の1週間に絞ります。1週間で約65万件の投稿データです。

メディアの内訳を見てみましょう。

今回の話題の盛り上がりは、ほぼTwitterによって作り出されていることがわかります。

安倍首相とトランプ大統領による、自身のTwitterアカウントからの積極的な情報発信が、この大きな盛り上がりを作った主な要因となったと推測できます。


投稿されている国の割合はどうなっているのでしょうか(※2)。

アメリカの投稿が84.2%と、大半を占めました。
Twitterでの投稿がほとんどであったことが大きく影響していると考えられます。
今回のイベントを通じて、安倍首相はアメリカに対して強くアピールできたと言ってよさそうです。

アメリカ以外では、カナダ、イギリスに次いで、インドの投稿量が多かったのが興味深いです。

特定のアカウントの投稿データを収集する

今回使用しているツールでは、Twitterについては100%データを収集することができます。この機能を利用して、安倍首相とトランプ大統領のTwitterアカウントによる一連の投稿を収集してみました。


以下のグラフは、横軸に時間、縦軸に累積LIKE数、バブルの大きさをリツイート数でプロットしたものです(※3)。

この期間の間に、トランプ大統領訪日に関連する投稿を、安倍首相は14投稿、トランプ大統領は22投稿していました。安倍首相の投稿の中に、1つ大量のリツイートを獲得した投稿があるのがわかります。またトランプ大統領は、拡散の大きい投稿を量産していることがわかります。


両アカウントについて、2019年5月のフォロワー数の推移も見てみましょう。

トランプ大統領のTwitterアカウントのフォロワー数が概ね一定の割合で増加しているのに対して、安倍首相のTwitterアカウントのフォロワー数はトランプ大統領訪日の期間に急増しています。フォロワー数の増加率から見ても、安倍首相にとって今回のイベントによる成果は大きいと言えるでしょう。


安倍首相のグラフの中で、ほぼ垂直にフォロワー数が急増している以下の部分が気になります。この日だけで、フォロワー数が2万人以上増加しています。

フォロワー数が急増する直前の投稿を見てみると、以下の投稿でした。

筆者は普段Twitterをよく使っています。今回のイベントを意識していたわけではありませんが、この投稿はタイムラインでも目にしました。

この投稿が、今回のイベントにおいて話題拡散に大きく貢献したことが推測されます。

特定の投稿の拡散プロセスを見てみる

それでは、この投稿が、実際にどのように拡散していったのかを見てみましょう。


投稿文中に含まれる画像や動画のリンクは、多くの場合世界中で一意となっている(重複がない)ため、この文字列をもとにソーシャルリスニングすると、特定の画像や動画を含む投稿データを収集することができます。

実際に収集した結果、この画像が投稿されてからの1週間で約8万件の投稿がありました。これは、リツイートやクォート(コメント付きRT)などを合わせて、この画像の2次投稿が合計で8万件以上あったことを示しています。


それでは、収集した8万件の投稿データをもとに、海外における拡散の様子をグラフ化してみましょう。各投稿データの投稿者のフォロワー数を累積していくことで、全体のリーチ数を求めることができます。横軸に時間、縦軸に累積リーチ数、バブルの大きさを投稿者のフォロワー数でプロットしたのが以下のグラフです(※4)。

途中で累積リーチ数が急増しているポイントがいくつか見られますが、これらのポイントにいるアカウントが、とくに拡散に貢献したアカウントと言うことができるでしょう。

実際の投稿を見ていくと、フォロワー数が大きいものでは、トランプ大統領(@realDonaldTrump)、POTUS(@POTUS)、ホワイトハウス(@WhiteHouse)などのアカウントがありました。他にも、ホワイトハウスの報道官(@PressSec)、メキシコのテレビ番組(@TelemundoNews)、民主党議員(@RWPUSA)、元国連大使の議員(@NikkiHaley)などのアカウントも確認できました。

安倍首相とトランプ大統領の2人が笑顔で写っている写真が添付された投稿は、「約1億4,000万」の人にリーチしていました。驚くべき数字です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、トランプ大統領訪日の反響を、ソーシャルリスニングという調査手法を用いて分析してみました。

5月25日〜5月31日の1週間の間に、世界中で64万もの人が安倍首相に関する投稿をおこない、海外を中心に1億4,000万もの人が安倍首相とトランプ大統領のツーショット写真を見たことになります。外交においても、ソーシャルメディアの効果的な活用が大変重要ですね。


今回の記事でご紹介した、ソーシャルリスニングでできることをまとめます。

  • ある特定の話題について、話題量の推移を見ることができる
  • ある特定の話題について、反響の大きさを比較することができる
  • 話題の中身(メディアや国の内訳、よく出てくる単語など)を分析することができる
  • 特定のアカウントについて一連の投稿を分析することができる
  • ある投稿が拡散していく様子や、拡散の中心にいる人物を特定することができる


ソリッドインテリジェンスでは、

  • 様々な国の多様なメディアを対象にデータを収集することができます
  • 過去2年程度まで遡ってデータを分析することができます
  • Twitterについては、100%データを対象に分析ができます
  • 英語だけでなく、中国語、韓国語、タイ語、フランス語、スペイン語など、さまざまな国や言語を対象とした分析ができます


ご興味のある方は、サービスページをのぞいてみてください。

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よくあるご質問


注釈

※1:セールスフォース・ドットコム社のSocial Studioを使用。分析結果は、Social Studioの仕様による。
※2:ツールによって、日本の投稿と判定されたもの、地域不明と判定されたものを除外して集計。
※3:リツイートを除いて集計。日本時間でプロット。近似曲線は移動平均。
※4:ツールによって、日本の投稿と判定されたものを除外して集計。日本時間でプロット。近似曲線は移動平均。