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「FUKUSHIMA」ニットにのせた思い、日本から世界へ。

2017年10月19日

出典:fukushimaknit.tumblr.com

2011年に起こった東日本大震災と津波による福島第一原子力発電所の事故から早6年半。チェルノブイリに続く原発のメルトダウンは世界的なニュースになり、日本の福島という名前は世界的にも有名になりました。

災害発生から、6年半たった今、海外の人々は「福島」に対してどのようなイメージを持っているのでしょうか。

目次
  • 海外における「福島」のイメージ
  • 「フクシマ・ニット」の立ち上げと活動
  • スウェーデン、アメリカでも活動が取り上げられる
  • 最後に

海外における「福島」のイメージ

海外の人々の福島に対するイメージを把握するため、直近の2017年7月から9月までの3か月間で「fukushima」というキーワードでソーシャルメディア上での英語での投稿を調査してみました。

その結果、「fukushima」のキーワードでは2017年7月〜9月の3か月間で33万4千件以上もの英語の投稿がありました。その投稿のセンチメントをみると、今もネガティブな話題が半数以上を占め、ポジティブなものは1割程度しかないことがわかります。

また、福島のキーワードと共に語られている言葉にnuclear(核)、disaster(災害)、radiation(放射線)、tepco(東京電力)、meltdown(炉心溶融)などの原発に関する話題が多く、6年半たった今でも福島のイメージは原発事故のネガティブなものであることがわかります。

日本や海外でも福島の持つネガティブなイメージは、今後も継続した福島の復興と再生のため少しでも減らしていく必要があります。そんな現状の中、イギリス滞在中に福島への海外の関心を再び集めようと行動を起こした日本人姉妹がいます。

「フクシマ・ニット」の立ち上げと活動

2015年にイギリスへ渡った、埼玉県出身の姉妹・中島有理さんと中島かおりさん。服飾学校出身の姉の有理さんはイギリスのロンドンで「フクシマ・ニット」というブランドを立ち上げ、妹のかおりさんはモデルやウェブサイトの運営を担当し姉妹で協力しながら、福島をサポートする活動を始めました。きっかけは福島県に住む小さな工場を営むお知り合いの方を通じて福島の人々の何か力になりたいという思いからでした。

やはり、その福島の工場も原発事故の風評被害で仕事が激減したそうです。そのことを知った2人は、渡英することをきっかけに日本人として福島にも貢献でき、また、彼女たちの海外での挑戦ともなる「フクシマ・ニット」のアイデアを思い付いたのです。そして、福島の工場で生産したニットをロンドンの現地のマーケットやインターネットなどで販売し、福島から遠いイギリスの人々へ向けたメッセージを伝えていきました。

出典:fukushimaknit.tumblr.com

マーケットなどの出店を通して現地の人々とのやりとりをする中で多くの人が彼女たちの活動に関心を寄せ、福島のことを心配し気に掛けてくれたそうです。しかし、活動を続け少しずつ認知されていく中、「福島製のニットは汚染されている」「そんな日本のネガティブなものを広めないでほしい」など活動に反対する人のコメントもあり、落ち込んだこともありました。それでも彼女たちは決してあきらめずにイギリスでの草の根の活動を続けていったのです。

スウェーデン、アメリカでも活動が取り上げられる

2016年11月にはロンドンで出会ったスウェーデン人を通し「honk please」という社会を変えていく活動や意義のあるコミュニティー活動などを取り上げるサイトでもスウェーデン語で「フクシマ・ニット」の活動が紹介されました。

また、今年8月にはアメリカのFacebookやInstagramといったソーシャルメディアでクリエイティブな人々のインタビューを配信する「1 MIN STORYS(一分間のストーリー)」の取材を受け動画が配信されています。Facebookでシェアされたその動画は現在までに2,800回以上再生されています。ページ内のその他の動画がだいたい100〜200回ぐらいの再生数であることを見ても「フクシマ・ニット」に多くの関心を寄せられていることが読み取れます。

出典:1 MIN STORYS

現在は、日本にいるため活動を一時中止しているものの、インターネットでの販売は現在も行っており、これから新たな活動を思案中であるとのことです。

彼女たちの活動はこちらから確認できます。

最後に

私がこの「フクシマ・ニット」の活動を知ったのは、中島さん姉妹とたまたま東京で知り合い、Facebookでつながってから過去の投稿を見たのがきっかけでした。その後、詳しく話を聞かせてもらい、感銘を受け、個人的に彼女たちの活動についてFacebookで投稿したところ、アメリカ人の友人から「日本に行く予定があるのでぜひインタビューさせてほしい」というメッセージから1MIN STORYSの取材が実現しました。

Facebookを通じて10年以上も会っていない友人と再会できるきっかけとなったことや、アメリカで少しでも彼女たちの活動を知ってもらえる機会となったことで、人と人がソーシャルメディアを通じて世界中でつながり、広がっていくというテクノロジーのすばらしさを感じました。

今は個人が情報を発信できる時代。こうした小さな活動や小さなサポートがソーシャルメディアで広がっていき世間を動かしていくのかもしれません。


記事:Miyako